【ルイ・ヴィトン・ナビ!】ルイ・ヴィトンの日本出店の歴史


ルイ・ヴィトン【LOUIS VUITTON】 日本出店の歴史

ルイ・ヴィトン 日本進出の背景

 ルイ・ヴィトンが初めて日本に進出した1970年代当時は、悪質な並行輸入業者が横行していました。並行輸入業者は一般旅行客を装いパリでルイ・ヴィトンの製品を一度に大量に買い、日本で法外な価格で販売していました。当時の輸入品、高級品ブームによる度を超えた日本での価格設定は、現地価格の2〜2.5倍が相場で、並行輸入の場合は、3倍もの値段がつけられたといいます。

 そのため、フランスへの日本人旅行者は、現地であれば安く買えると(正規価格なのだが・・・)、パリのルイ・ヴィトン本店に長い行列をつくりました。
 

 1976年,パリのルイ・ヴィトン本店前に連日できる日本人の長い行列の光景に驚いたルイ・ヴィトン経営陣は,「いったい日本はどうなっているのだ?」ということで、米国の会計事務所ピート・マーウィックを通じて,日本の市場調査を依頼しました。この依頼をピート・マーウィックの東京事務所の、後にルイ・ヴィトン・ジャパンの社長となる秦郷次郎氏が担当しました。  
 秦氏は,「日本市場では,ルイ・ヴィトンの製品に対する支持が高まっている。しかし,販売代理店が,販売量を絞るなど,高価格政策をとっているため,並行輸入業者が乱立して利ざやを稼いでいる。それゆえ,ルイ・ヴィトンは,日本市場進出にあたっては,製品の販売を自らのコントロール下に置いて独自のビジネスを展開すべきである」という報告をしました。
 


 この報告により、秦氏は本格的なコンサルティングを依頼され、ルイ・ヴィトン社からほとんど資金を出してもらわずに国内で調達する一方,商品はしっかりした管理のもとに販売するという独自のビジネスモデルを提案しました。  
   
 秦氏は,ルイ・ヴィトンが日本に進出すると日本支店の代表に転進し,株式会社化後には社長に就任、斬新なビジネスモデルと卓越したブランド経営で事業を展開し,現在のブランド・ビジネスの成功へと導いていきました。

 ルイ・ヴィトン・ファミリーが築き上げてきた「信頼」を正しく伝えるために、これまで売られていた不適正な価格を正し、ルイ・ヴィトン製品を適正販路により適正価格で販売することを目指し様々なビジネス戦略を導入しました。
 

  日本での販売先となる百貨店(小売店)と,パリのルイ・ヴィトン社が直接,商品を取引し、百貨店のパリ支店から,ルイ・ヴィトンの倉庫まで,直接,商品を受け取りに行ってもらうディストリビューション契約。  
 
 ルイ・ヴィトンの日本支店と,百貨店をはじめとする取引先が結ぶ契約としては、ブランド・イメージ,商標の保護,品質の問題の処理,広告・宣伝などすべての業務をルイ・ヴィトンの日本支店が行い、その対価として百貨店から,フランチャイズ保証金とマネジメント・サービス・フィーとして売り上げの一部,若干の広告協賛金を受け取るマネジメント・サービス契約。  
 
 そして、1981年,日本支店を株式会社化してルイ・ヴィトン・ジャパン株式会社設立,直営店である銀座並木通り店をオープン。これを契機に,ルイ・ヴィトン・ジャパンが直接フランスのルイ・ヴィトン社から商品を輸入し,国内店舗に供給する形式に変更しました。契約も一本化し,ルイ・ヴィトン・ジャパンが在庫を持つ直営店方式へ移行ました。
 


 その後、1997年、アーティスティック・ディレクターにマーク・ジェイコブスが就任すると、本格的にプレタポルテに参入。歴史ある老舗ブランドにファッション性が加わり、鞄だけでなく洋服、靴、時計などルイ・ヴィトン製品をすべて扱う店舗面積が広いグローバルストア展開を開始。 ウェア等の新しい展開スペースを確保するために直営店の出店が加速していきました。
 


 


ルイ・ヴィトン 店舗出店推移

1978年 ルイ・ヴィトン日本支社設立。正式店舗が東京、大阪に6店舗出店
3月 日本橋高島屋店、高島屋サンローゼ赤坂店、西武渋谷店、西武ピサ大阪ロイヤルホテル店、アンロワイヤル阪急17番街店が出店。
9月 大阪高島屋店が出店。
1981年 ルイ・ヴィトン ジャパン設立。日本国内初の直営店・銀座並木通り店が出店
1983年 2番目の直営店となる神戸元町店が出店
1986年 3番目の直営店となるヒルトンプラザ店が大阪梅田ヒルトンホテルに出店
1987年 4番目の直営店となるサンローゼ赤坂店がホテル・ニューオータニに出店
1989年 5番目の直営店となる青山店が出店
1998年 世界で3番目(日本初)のグローバルストアとなる大阪心斎橋店が出店
2002年 世界最大級の旗艦店、国内44店舗目となる表参道店が出店
2003年 高知に初の独立路面店となる高知店が出店
六本木ヒルズ店が出店
2004年 銀座並木通り店がリニューアルオープン
2006年 伊勢丹に初の出店となる伊勢丹浦和店が出店
2007年 名古屋駅前に国内54店舗目、グローバルストアとして11店舗目となるミッドランドスクエア店が出店

 成長戦略基盤の店舗が建設される一方、既存店の整理も行われました。  
 1996年、博多岩田屋、西武池袋店  
 2000年、渋谷東急店、大丸京都店  
 2001年、大丸心斎橋店  
 2002年、青山ツイン店、サンローゼ赤坂店、神戸元町店が閉店  
 

 整理に対し、活性化もされ、
 2003年、浜松遠鉄店名鉄店岡山高島屋店、三越松山店、三越千葉店がオープン。

 
 2008年2月、阪急メンズ店オープン。  
 2012年9月、東京駅に直結する大丸東京店 オープン。  
 2012年10月、阪急梅田店を 阪急うめだ本店の2階と5階にオープン。  
 2014年3月、JR名古屋タカシマヤ店オープン。  
 2016年9月、Dover Street Market Ginza店 を2012年開業時の3階から1階へ移転。  
 2020年2月、建築家 青木淳氏のデザインによるメゾン大阪御堂筋 オープン。  
 2020年7月、ルイ・ヴィトンの世界初となるメンズ旗艦店渋谷メンズ店 オープン。  
 2022年11月、日本では初の空港内免税店羽田空港店 オープン。  
 2023年7月 成田空港店、11月 大丸札幌店、12月 関西国際空港店 オープン。

 
 2012年、名古屋三越店 閉店  
 2015年、熊本鶴屋店高知店 閉店  
 2016年、西武旭川店 閉店  
 2019年、トキハ大分店 閉店  
 2023年、郡山・うすい店浜松遠鉄店 閉店
 

 
 
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