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草間彌生 絵画の画面や彫刻の表面のみならず、見る者の視界を覆い尽くさんばかりの水玉のモチーフを使うことが特徴。合わせ鏡を用いて光やオブジェを無限に広がるように見せるインスタレーションや、男根状のオブジェを日用品などに張り付ける立体作品も制作している。またファッションデザインや小説執筆などの活動も行う。 |
「私の人生は1つの水玉:無数の粒子のうちの1つ。並んだ水玉の天文学的な数の集合体からできた「無」の白い網が、私と他者を、そして世界全体を消し去っていく」 ――草間彌生 この言葉から、水玉は草間氏の作品においてきわめて重要なシンボルであるだけではなく、物事を具現化するための限りなく広い表現方法であり、その中でこれらのモチーフが無限に広がっている、ということがわかります。このアーティストにとっての水玉の魅力は、ミニマリズムに見られる、機械的な反復というかたちで表れます。
一連の作品『Accumulations (アキュミレーション)』は、草間氏の全作品と感覚の統一性についての興味深い比較を示します。インスタレーションのシリーズである『Dots Obsession (ドッツ・オブセッション)』は、彼女のトレードマークである水玉と鏡を、空気を入れて膨らませ、特定の形を持たない、巨大なオブジェとともに新たに形成しています。そして、彼女のどのインスタレーションにおいても、水玉の海に呑み込まれる観客は欠かすことのできない重要な要素となります。観客はとりわけ、新たな水玉となり、草間氏の強迫観念の気まぐれな題材、欲望の新たな対象となるのです。
