ルイ・ヴィトン・ストーリー 『アニエール ― ルイ・ヴィトンの「スピリット」が宿る場所』

 


150年以上もの間、ルイ・ヴィトンにとってゆるぎない場所、ルイ・ヴィトンの「スピリット」が宿る場所『アニエール』。 ルイ・ヴィトン家の人たちが住んでいた場所であり、熟練した職人たちが今でもひとつひとつ製品を生み出す場所。


1859年に建てられたトランク製造工房

アニエールでの製造の様子(1873年)


1854年創業の4年後、店の評判はフランスだけでなく外国にも轟くようになり、注文が殺到し始め、パリのカプシーヌ通りの工房だけでは増え続ける注文に対応しきれなくなったため、ルイ・ヴィトンはパリ郊外の街アニエール=シュル=セーヌにアトリエ兼住宅を建設しました。 それから現在に至るまで、アニエールの工場では、堅牢さを誇る旅行トランク、ソフトラゲージやスペシャルオーダーなどの選りすぐれた製品が、経験豊かな職人によって生み出されています。

1980年代ごろまでルイ・ヴィトン家の人々がここで育ち、ルイ・ヴィトンというブランドを見守ってきました。現在、住宅部分はゲストハウスとして使われています。



アニエールにまつわる逸話

―パトリック・ルイ・ヴィトン(ヴィトン家5代目当主)―

「アニエールのワークショップと当時そこに暮らしていた子供たちの間には、とても特別な関係がありました。その理由の1つは、日差しがたっぷりと差し込む、とても大きなガラス屋根にあったのではなかったかと思います。実をいうと、夜はさらに別の楽しみがありました。

部屋の隅に荷物用のエレベーターがあったのですが、その歯車がカチッカチッという不思議な音を立てるのです。そして誰かを脅かしたい時は妹に濃いめのシーツをかぶせて、真夜中のワークショップへと歩かせました。『ベルフェゴール(Belph?gor)*』のシーンを再現したくてね。

夜になると、月の光があちらこちらに散らばったラゲージやポプラ材、切り落とされたレザーなどを照らしました。すると、荷物用のエレベーターがカチッ、カチッ、カチッと音を立てながらゆっくりと動く――そしてベルフェゴールの幽霊に扮した妹が最上階に現れるのです!

このいたずらで、少なくとも1人以上は脅かしたのではないかと思いますよ」

* ベルフェゴール:ルーヴル美術館に取りついた幽霊が登場する、60年代半ばに人気を博したフランスのテレビ番組。

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